1月15日円盤ジャンボリー後夜祭
 ボンバーマンの無敵パスワードでゲーム開始。爆弾を連打しながらキリングワードをシャウト。「いくらでも人を殺してもかまわないんじゃ!ただしボンバーマンの世界において」エキサイトバイクで難攻不落なコースをデザインした上で、全速力アクセル全開で坂に突進、落下してクラッシュ「俺はいますぐにでも自殺したいんじゃ!ただしエキサイトバイクの世界において」エフゼロで思いっきりジャンプして自機大破「誰にも危害を加えることはない!」ドカベンのアニメのサウンドでファミスタ。里中くんが塁に出て、山田がホームランを打ちライブ終了。

1月29日主催イベント
 FC版キャプテン翼のプレイ画面をプロジェクター投影しながら、セリフのすべてをヴィジュアル系ロックの歌唱法で歌い上げる。川染による川染インタビュー。ローファイ音楽とアヴァンギャルド全般に対する考えを述べるリリック。
 ライブ中に自我を消す。すぐ断念する。
 FF5のオメガ、神龍を倒した際に手に入るアイテムの説明文をラップする。「これは苦労して手に入れた最強のリリックである。」FF5を十三年ぶりにプレイして初めてのクリアした際の映像を流す。対エクスデスからラストまでの映像を見ながらラップ。
 「火、風、水、土、宇宙、魂!」をミニマルラップ。変則繰り返し。
 「FF5実はあんまり好きじゃない。4や6のほうがストーリーはいい。実は6で一回泣いたが、5ではそういうことはなかった。一つだけよかったのはギルガメッシュが最終的に味方になるところ。」エンディングテーマにあわせてラップ。

2月26日円盤
 ライブ斬影拳(テープケースなどを破壊)
 ライブピタゴラスイッチ(dvテープなどでピタゴラ装置を作り、最終地点にピックアップを置いて音を拾う)
 ドラクエ3の村の人達が一方的な話題を振りまいてくることに異常なまでの怒りを示し、激昂する。「いきなり話しかけるなよ、いいから休んでけよ、プリングルス全部喰っていいからさ」
 地方ヤンキーに「よっちゃんのライブ見に行こうぜ!みんな行くよなあ、パー券売りさばいてさ」などと言われ続けるシチュエーションを演じる。
 少年時代の友人宇川田一郎に対するただならぬ怒りをラップ。「ファミコン持ってないのにファミカセ二十本持ってる」「ドラクエ2やらしてもらうのに十分百円。ふっかつのじゅもん入力に五分、ちょっとプレイしてふっかつのじゅもんメモするので五分」などなど。

3月26日円盤
 「芸術史が完全に変わるイベントこれより開始です」という挨拶でのイベント開始、小林亮平のすばらしいライブで幕開け、非常にやりにくそうだったスズキスキー氏に次いで、川染喜弘。「ちょっと準備を」といって円盤の外へ。直後、自転車に乗って円盤内に登場、地方ヤンキー暴走族がバイクに乗るときに発する音をボイスで表現する。「ブロンソンソンソンソン、ブロンソンソンソンソン!ブロンソンソン原哲夫!川染喜弘のライブを始めさせていただきます!」しばらく自転車を演奏しながらラップ。「二十兆円あったら整形する。いや、整形しないでたっかい値段のアナログシンセを買う。いや、本当は生活費にあてる」など。
 「よっちゃんのライブって面白いんだけどさあ、ガンジャきめたらもっとよくなると思うよ」と言われたことに対する怒りを見事に昇華し、足に健康グッズをはめ込み「ガンジャなんか必要ないんじゃ!これで充分気持ちいいし、薬なんかなくてもいくらでもトリップできんのじゃ!僕をとばないか?と誘うときはこういう(健康グッズ)ものを持ってきてくださいね!」「それではドーピングセッションを始めようと思います」「彼らになぜガンジャを吸うのか?と聞いたら音がかっこよくなるので、と言われたんですよ!」と、すべての音にディレイをかける。「これがガンジャ中毒者の聞いている音です」「ガンジャ吸ってるような奴はかたっぱしから通報してやる!」
 「すべての芸術理論を今、すべて僕が決めようと思います」といって、自分が感性で音楽をやっているのではなく理論に乗っ取って音楽をやっているということと、理論にのっとって語ってほしいということを主張する。「お金がなくてアナログシンセを買う金がない場合、それを美しいことにする、理論的に」「てんぱった末にシールドが抜けるなどのハプニングで大きい音が出るのは美しいとする、理論的に」「美術作品につかわれるビニール袋には、サミットなどのマークが入っているほうがよいとする、理論的に」など、その瞬間瞬間起こること目にうつるものすべてを、理論的に正しい、正しくない、と定義していった。閑話休題的に突如リラックスした川染喜弘がなれなれしい態度で「ちょっと泣ける話でもしようか?」と机に腰掛け直して昔話を始める。「これはmcじゃないから!前衛的なポエットリーリーディングとして聴かれるべきものなんだから!」
 感動的な話のあらすじ。中学二年の時クラスが一緒だっただけのヤンキー、《boowyの曲を英語部分だけ飛ばして歌った》ことですっかりおなじみの中条。彼とは友達ではなかったが、クラスが一緒だった。彼との関係はそれだけである。中条は高校受験に失敗し、川染喜弘の二つ上の先輩ヤンキーさとる君(面識なし)と二人、円座駅でカツアゲすることに精を出すようになった。ある日、高校生の川染喜弘が駅をおりると、二人がカツアゲの対象を探して煙草をふかしているところだった。「やばい、これはもうカツアゲされるしかない」と観念する川染。案の定、さとる君が「おい、お前ちょっと顔貸せや」といって胸倉を掴んでくる。最悪の状況になった、と諦めてと川染が財布を出そうとする……しかし、その瞬間中条がさとる君を制止して曰く、「おい、こいつは勘弁したってくれや、《おれの連れ》や」
 「中条むっちゃかっこいい、顔はかっこよくないけどやることかっこいい中条」「こいつは勘弁したってくれや」など繰り返すリリック。「あれ?あんまり泣けなかったかな」といって考えあぐねた結果、二つ目の話へ突入する。
 母親が全く弁当を作ってくれず(幽々白書の浦飯の母親みたいな感じだと思ってください、という補足)、毎日添加物だらけのコンビニ弁当とパンを食い続けていた。そんな生活を何年も続けていたので少年川染喜弘は子供心ながら自分は栄養失調で死ぬ、と考えながら毎日を過ごしていたが、高校受験(絶対受からない、と思っていた)の日、なんと朝早く母親が起きて弁当を作っているではないか!受験会場で弁当箱をあけると「よっちゃんがんばりまんね」という応援のメッセージが入っていた。
 「普段弁当つくらんおかんが弁当つくってくれて、よっちゃんがんばりまんね!泣けるでしょ!」で、「よっちゃんがんばりまんね!」を連呼。再び音楽理論のほうへと戻り、ライブ終了。

4月30日円盤
 開始時刻に遅れてしまったので冒頭部分は鑑賞できず。会場についた瞬間、川染喜弘が黒夢・清春の形態模写をしている。
「八年間続けてきたこの黒夢も、今日で活動休止。人時とも話あって決めた。それじゃ聞いてください『like @ angel』」
カセットテープから出力するこもった変拍子ビートでラップ開始。
 「よっちゃん就職しまんね。母ちゃん心配なんよ。そんなに東京がいいんか?四国帰って就職しまんね。よっちゃん音楽で食っていけんよ。よっちゃん楽器ひけるんか?(声色変えて)おれギター弾けるって。(声色変えて)音楽で食っていけんよ!」
清春のMCとお母さんとの対話を主題に人力カットアップラップを展開。
 「曲を作ったのできいてください。」といってピアノを弾きながらニセ英語の歌を感情たっぷりに歌う。「で、この曲ね、聞いてると悲しい感じがするでしょ?でも直訳すると、『幸せでいっぱいだ今日は晴天だ自分の音楽が偉い人に褒められて認められた』なんですね!つまり僕がこの曲でみなさまに伝えたかったメッセージは、《輸入版cdを買うな》ってことだ!国内版を買え!そうでないと明るい歌詞がまったく理解できないぜ!」と力説。
「ライブの概念を変えよう!」
と叫び、ビー玉を机に置く。
「ライブの概念を変えよう!お客様の皆さんに自己暗示をかけてこのビー玉がライブをしていると思い込んでください!そして皆様のイマジネーションでこのビー玉が七次元八次元九次元まで行く事も可能なのだ。俺も今からお客様や!いいか!俺は魅惑的なパフォーマンスなんか一切せんぞ!ライブが良かった場合、僕が良かった、のではなく皆様のイマジネーションが良かったのです!良くなかった場合はお前らの感受性が悪いんじゃ!俺は魅力的なパフォーマンスは一切せんからな!そしてライブがよかったらブログに書いてください。ミクシーに感想をアップしてください。はてなダイアリーを更新してください。おれはこのパフォーマンスで現代美術の表紙になるんじゃ!」
等々いって、ビー玉をテーブルに叩き付けながらコンセプトを力説。
「それでは、史上初、ビー玉さんのライブをどうぞ」
 川染喜弘はハケ、客席に座る。完全にビー玉のライブ空間になる。ややあって川染喜弘がステージに戻ってきて、
「参加してください!お願いします!」
とまたコンセプトを力説。語尾を全てファミスタの効果音(アウトー、ぴゅーい、カキーン、たったたた等)にして盛り上げる。
「それでは再度、ビー玉さんのライブをどうぞ」
再度、五分間、ビー玉vs客席のそれぞれの想念が繰り広げるライブ空間になる。
川染が勢い良く戻ってきて
「いやー、凄かったですね。まさか2000台のアナログシンセをサーキットベンディングしながら火星に飛び立ってフィールドレコーディングするとは(いやはやといった感じで手を振る)」
マイクをビー玉に向けて
「ライブの告知等ございましたら何か。」
 その後、サンプラーを使った実験。絵にマイクを向けて視覚をサンプリングする試み、マッキーにマイクを向けて嗅覚をサンプリングする試み、甘い豆にマイクを向けて味覚をサンプリングする試みが次々失敗。最後に触覚ということで床にマイクを向けた音をとりあえずサンプリングできた、ということにして、史上初《触覚をビートにしたヒップホップ》が完成する。カセットテープを入れ替え、ナードなビートにのせてビー玉を猛烈にdisる。
「お前丸すぎるんだyo、転がりすぎるんだyo、光すぎんだyo」等。
「僕は香川の人間なんですが方言で『がー』って語尾につけるんですね」といって「アイガー」とサガットの模写で連呼。「必ず最後にアイガーアパカー」「アイガーアパカーままにわがままに君は僕だけを傷つけない」など、「アイガー」でjpopを歌い直し。案外「愛が」という言葉が入ってる曲がないようで「誰か、ないですか。愛がって入ってる曲ないですか。今どうしてもこれでラップがしたいんです」と哀願する。
 最後に、ワンマンでも披露する、という前置きとともに、お母さんをテーマにした歌を歌い、ライブ終了。

 なんだか機嫌がよかったようでイベント終了後の挨拶でもいろいろと喋ってくださりました。名言「僕たちはピカソをとっくに超えている」も再び聞けました。うれしいです。ライブ告知をしたのち、「告知というより、もうこれは協力要請なのです」と言った川染喜弘にツポールヌ氏が笑顔で「懇願」と呟く。「そうですね、懇願です!」「蝶野とミルコクロコップに勝つ!」とラップしたりしながらイベント終了。

5月4日四時間ワンマン
細部が思い出せないので、箇条書きで。

・ジョンケージの4分33秒をseにして川染登場。(これはライブ中、後に明かされた)
・コンセプトをラップする。(プロフィールの「パフォーマンスも、サウンドも、極めています!過去にも、未来にも、最高の芸術家です! この伝説をキャッチしたあなたも伝説の1人です! 過去にも、未来にも最高の芸術です、という事を聞いてなお、イベントに足を運んで頂けないなら、それは、芸術自体に興味が無いという事でしょう。 何故、私がここまで言うかといいますと、最高の作品で有りながら、ゴッホの様に、生前認められないというのは、絶対嫌だからです。 そうならない為には、最高の作品を創り続ける以外に、ある程度論ずる必要が有ります。 その論でさえも、作品なのですが。」をもう少し突っ込んだ内容)
・「あと、今日は展示もしようと思ったのですが、よく考えたらこの状態が既にしてサウンドインスタレーションだ!この配置!」と川染喜弘の散らかったライブ風景を指して明言する。
・タバコを口にくわえて、足を椅子にのせて「お前かっこいいじゃん」「お前らかっこいいよ」(何度か折を見て繰り返される)
・床に散らばった玩具ギターのボタン部分を両手でカチャカチャさせながら「おれはこのカチャカチャに命をかけとるんじゃ!このカチャカチャは他のカチャカチャと全然ちゃうぞ!」。命をかけてのカチャカチャに会場中に緊張が走る。
・「今日は自作楽器を用意してきました」と言ってぼろぼろのボール紙でできた箱によれよれの糸を張り巡らせた《ピック》という楽器が登場する。ピックアップを押し付けてそれを弾きながらアンプリファイ。
・視聴者の声帯を利用したラップ。会場の客をランダムに選んで、耳打ちをして伝言でラップをする。
・サンダルに空き缶をガムテープで貼付けて床を打ち鳴らしながらラップ。(nigoと藤原ヒロシのファッションに関するインタビューを引用)
・ちょっとアンビエントタイム、と言ってラジオを持って太極拳のような動きをする。壁に向かってゲームのキャラのように歩き続ける。
・サンプラーの不調で音が出ず、「逆境おもろい。空気読まないのおもろいなー!おもろいおもろい!遅咲きおもろい、20歳でジョンケージに出会った逆境おもろいぞー!」(これも折をみて何回か繰り返される)
・視聴者の声帯を利用したビート。ランダムに選んだ客に、キックスネアハイハットを担当してもらい、その音をその場でサンプリングしてビートを作成。その音でラップ。
・絵描き歌。「山が三つあったとさ。ほうき星。月が出た、波三本、あっという間に抽象画!」
・前衛J-pop。「母」「きれいごと」の二曲を弾きがたる。その準備の間に、接触不良のギターからノイズが会場に響き渡る。
・最後に、ff5のエンディングを流しながら、前四時間分全てのライブで使った楽器、動きを再現してダイジェストライブ。「ありましたねー!シャキーン!」と言いながら最高の笑顔。使った道具がなかなか見つからず「空気読めやー!逆境おもろいぞー、空気よまないのおもしろい!(見つけて)こんなのありましたねー、シャキーン!」と人力カットアップ、全力でハイライトを演じる。植松伸夫のエンディング曲が佳境に入り、総括。「おれがこのライブで伝えたかったのは、体に気をつけろっていうことだ!米を食え!肉、魚、野菜、無機質などをバランスよく接種するんだ!体に気をつけて生きろやー!」と絶叫してff5が終わり「THE END」の文字が投影される。深々と礼をしてライブ終了。

5月28日円盤
 「今日も概念変えていこうぜィエイイエイ!(ガッツポーズを胸に叩き付けながら)」でライブ開始。「今日は、これから僕がすること、全てを『ok』と思い込んでください!あなた達が!これから僕がすること全てが『ok』なのです!おれは何もせんぞ!」と客に指示する。「鼻くそをほじっていても最高だし、ブログに今日のライブ良かったと書き狂うライブでも、僕がすることは、全部『ok』!」「ヨーゼフボイスは超えた」
 続いて、バイトでのムカつく挨拶を実演する。「おはようございます!」が普通だとして、レベル2「うーっす」レベル3が「っす」。これを円盤の入り口で繰り返すミニマル演奏。「完全にスティーブライヒは超えた」
 その後、「何してもいい」を連呼しながら完璧に構築された醜態をさらす。ピックアップに水風船をこすりつける。お母さんとのやりとりのラップ。天秤座の男による天秤ラップ。「女と音楽なら、音楽。女と友達なら、友達。友達と音楽。これはどっちもとる!あんまり用意できてなかったんでこの辺で」「テレビで明治のチョコが好き、といったら段ボールで送られてきた、みたいな話があるじゃないですか。あれやります。korgのアナログシンセ、マジいいよね。さあ、この会場にkorgの社長がいることを祈ります。送って来い!」最強のリリックシリーズ、実家近くのコンビニにあった張り紙とその落書き。「何よりも大切な水、大切に使おう。でも自分の命のほうがもっと大切」これを何度も繰り返す。
 合コンの練習。客に女になってもらい、合コンの練習をする。わざとなんじゃないか、と勘ぐるほど絡みにくい会話に、「会話のサンプラーはいくらでも叩けるけど、会話のシーケンスがまったく組めない」と言及する。
 突然メールアドレスを考案しだす。john-cage-muon@docomo、moog-kurekure-(自分の住所)@docomo、mego-tsujiko-noriko@docomo、costes-caloliner@docomo、psyche-claster@docomo、などしょうがねえアドレスが次から次へと生まれる。最後に出たのがken-ishii-techno@docomo、と最高にダサいメールアドレス。これには考案者の川染自身も失笑。笑いが止まらなくなってしまう。
 「十年後お前らの心に確実に響いてくるリリックを叩き込んでやろう!人はどんな状況からでもポジティブに生きら、れる!(思いっきり胸を叩きながら全力の発声で)」
突如ラップをやめ、発泡スチロール製のひも状のものを真顔でしごき始めたり、水を入れた金属製のボウルを真顔で叩きながら円盤内を巡回する。
 ラストはもう一度「人は、どんな状況からでもポジティブに生きら、れる!」を連呼し、ライブ終了。

 間違っている可能性もありますが、こんな感じでした。来月は秋山徹次さんがゲストなのですが、読み上げるプロフィールが見つからず、川染喜弘が珍しく諦めて「まあ説明不要ですね」と言って会場が和む。その後、「本来なら200万円はとれるイベント料を500円+ワンドリンクだなんてこんな良心的なイベントはない」と力説。これに対しツポールヌ氏がはにかみながら「お客さまに僕たちが生かされている、かもしれないですし」とフォロー。川染喜弘が「そうかもしんまい!」と返答した。

6月18日 円盤田口さん企画
 「ピカソを完全に超えてしまった究極の芸術家のライブ」というもはや常套句となった枕詞でライブ開始。「もう俺は何もしない」と大上段に構えて、「いるだけで最高の評価をしろ」と要求する。
 覚えたての落語を披露。二割くらいしか覚えてないといって、途中でやめる。
 架空の武勇伝を披露。「ヤンキーと喧嘩したんだけど、身体が細いのはパワーよりも速さ、一発打ち込む間に三発打ち込む為に筋肉をそいだっていうわけで。で、ヤンキーが胸ぐらつかんでなんじゃこら、とか言ってくる間に三発顔面にパンチ叩き込んだりして、相手のパンチを、まあかなりゆっくりに見えるんで、全部かわしながらまたパンチ三発くらいいれて。で、そんなことしてる後ろを黒猫が道路に飛び出していったのが気になった。喧嘩なんかもう勝てるからどうでもよくて黒猫を助けるために道路に飛び出した。それで向かい側のガードレールまで飛んだんだけど、もう一匹黒猫が道路をわたろうとしてたから、助けた猫の頭を踏んで飛んでもう一匹助けた。そしたらまた黒猫が通ったからたまたま通りかかった二人目のヤンキーの頭を踏み台にして飛翔した。そしたら向こうから三匹目のヤンキーがやってきて、自分もかなり消耗してたから、勝てないかもと思っていたところに、一匹目のヤンキーがきて『お前がやるまでもない。俺がやる』といって代わりに戦ってくれた。」といった内容。
 続いて架空の都市伝説。「キンクスのメンバーは実は九人組で、ファーストアルバムが出る前に五人抜けた。その五人はまだなかったヒップホップに目覚め始めてて、キンクスのアルバムの最初の五秒の中音域を限界まであげると、ヒップホップのビートが入っている。」という内容。
 スパイの為に録音した指示テープの再生。「クロウリー画伯の耳の裏にあるマイクを奪え。そのマイクを持って棚に向かえ。棚の中には二丁の弾丸(本当にこう言った)が入っている。それを持って再びクロウリー画伯を狙え。なお、このテープは自動的に消滅する」といってカットアウト。クロスするように猛然とラップ開始。
 「しゅうじ君は進んどんのー」というリリックを繰り出し、その説明をする。「これは僕が始めて母親にエロ本を見つかったときに、母親が放ったリリックです。僕は言い訳で『しゅうじ君が置いていったんだ』と言ったらこのリリックが出ました。『しゅうじ君は進んどんのー』」といって、繰り返すリリック。
 黒いジャケットを振り回しながら、「人の服をボソボソやるだけのこの究極に小ちゃいコンセプトで宇宙感じろやー!」と主張。宇宙は空の中だけにあるのではなく、電子顕微鏡の中にあるのだ、といって「究極に小さいコンセプトで太陽の塔よりすごい宇宙出したるぞ!」と言い放つ。「僕のライブに何も感じないのはあなた達の電子顕微鏡がダメなだけなのだ」とも。「胡椒のギャバンにマイクつけて振るだけの小さいコンセプト」や「木琴にコンタクトマイクをつけてこするだけの小さいコンセプト」など、様々な小宇宙を展開する。
 突然ピアノを乱打して「綾戸智絵のポジティブさ超えたんぞ!」と叫ぶ。小さいコンセプトと綾戸智絵のポジティブ越えを交互にクロスフェードさせながらラップ、演奏。

6月22日 恵比寿みるく
 川染喜弘+ツポールヌ+荒木健太トリオでの出演。
 まず、川染さんのソロからスタート。
 ここ最近の定型文「過去にも未来にもいない最高の芸術家」宣言でライブ開始。ストリートファイター2のバイソンを同キャラ対戦させながら辰吉の試合の実況テープを流す。実況にあわせてバイソンを操作する。辰吉のKoの瞬間を狙ってビートを流して、「辰吉」コールを客に要求する。「お前ら無理矢理盛り上がれや」「予定調和のダイブいくぞコラ!」「いまここで辰吉コールしない奴の家に火をつけてやる!」など間に挟みつつ、辰吉コール。辰吉コール最高潮にストロボがつく。一通り辰吉コールをしてソロ終了。
 続いてツポールヌソロ。
 最後に川染ツポールヌ荒木健太トリオのセッション。荒木健太さんのmsxサウンドに乗せて二人でラップ。
 ギャラクシアンにはエンディングがない、ということで、ギャラクシアンのエンディングを考える。「ギャラクシアンは君の力で滅びた」「しかし油断はできない。いつまたギャラクシアンが攻めてくるのかは誰にも分からないのだ」「第二、第三のギャラクシアンはもうそこまで迫ってきている」など、ギャラクシアンという単語で作れる様々な形式のエンディングを披露する。
 《ドラゴンクエスト4でラナルータを唱え、夜の町に入り、寝ている人に話しかける。その時町人はなんというでしょうクイズ》第一問から超絶難しい問題が出る。それに対しツポールヌ氏が高速でラップする。(聞き取れなかった)
 「ストリートファイター1でサガットの胸にある傷は昇竜拳でできた傷だ、という文章が出てくるけど、サガット肌弱すぎっしょー!」といって、ブランカとリュウを戦わせてブランカのドット絵の肌に傷がつくかどうか検証する。ブランカの肌に傷はつかず、二人がここぞとばかりにサガットの弱い肌をディスる。
 ツポールヌ氏によって魔界村の説明がなされ、超魔界村、極魔界村の次はなに魔界村がくるか、ということをテーマに真剣に討論する。聖魔界村、光魔界村などが候補にあがる。その間川染喜弘はピックアップで会場をこする。(※1)
 桃太郎伝説のエンディング映像を見ながらラップ。「さようならまたアオオニ」という最高のリリックが最後に表示される。ブレイクダンスをしたり肩車をしたり混沌とする。「ぷりぷり」コールをして企画者のぷりぷりさんをステージにあげてライブ終了。
 機材を片付ける合間、川染喜弘とツポールヌ氏が「少しでも傷ついた人ごめんなさい」「時間がおしてごめんなさい」と叫んでいた。

 ※1…以前、ピックアップで会場をこするのはFF3の風水士の影響でその土地に含まれている能力を見ている、と言っていたので多分それだろう。

7月7日 円盤ジャンボリー
 今日は円盤ジャンボリーにて、川染喜弘が六回ライブします。

一回目
不穏なテープ音。「過去にも未来にもいない最高の芸術家」と「限りなく小さいコンセプトアート」を凝縮したラップ。ピックアップとナイロンパンツの間にギターの弦をはさんで擦る。
「俺はこのナイロンパンツに弦擦り付けてシュピシュピやるだけのコンセプトに命かけとるんじゃ!誰でもできると思うなよ!おまえら金払ったんだったら、もとをかえすどころじゃねえ。最高の芸術感じて帰れ!」
七夕ラップ。「背が伸びますように、目が大きくなりますように、突然誰かから4000枚くらい送られてきますように、世界平和が成されますように」
二回目
歯車が回転するおもちゃにピックアップ。中学時代の友人トミイエ氏の怪獣物語のポスターがビリビリに破られてしまったエピソード再び。
マリオが延々土管にむかって走り続ける映像を投影しながら「ジタバタ」を連呼。「いまはジタバタしとってもいい!いつかおまえらも土管超える日がくるだろう!プリングルスを食べ続けるのもいいだろう。でも死ぬのだけは絶対にするなよ!」
「お母ちゃーん!」と絶叫しつづける。
三回目
燃えろプロ野球のバイオリズム情報の映像を流しながら、「小さいコンセプト」論。
フラフラとフロアーに足を進め、ピックアップに躓いてポケットの中にある大量の一円玉をばらまく。「僕の楽器…!」といいながら回収。「小さいコンセプト」論。「ステージの上ならば、安岡力也しばけんぞ!ミルコクロコップこえていこうぜ!」燃えろプロ野球のバイオリズム情報の映像を流しながら、「小さいコンセプト」論。
フラフラとフロアーに足を進め、ピックアップに躓いてポケットの中にある大量の一円玉をばらまく。「僕の楽器…!」といいながら回収。「小さいコンセプト」論。「ステージの上ならば、安岡力也だってしばけんぞ!ステージ上でミルコクロコップ超えていこうぜ!」
四回目
「傷つけられた悲しみよりも傷つけた悲しみのほうが辛い」と主張。「存在するだけで評価しろ」と傲慢に振る舞い、鏡を客に向けて「おまえらがパフォーマーだ」「いま十人くらい鏡にうつってる。おまえらビッグバンドだな!バンド名は東京オレスカバンド。それではどうぞ」といってハケ。鏡だけがステージに残る。
五回目
音楽に関する豆知識を朗読し、サンプラーから「へえ」という音を出す。「これだけじゃ!でも、おまえらにできるとは思うなよ!」
「筋肉を鍛えるようにして精神もまた鍛えられる」といって胸を強打し続ける。
客の声帯を利用した音楽といって「明日も見てくれるかな?」に「いいとも!」を要求。「めずらしい話、略して」「めずばなー」も要求。「これがミニマル」「ライヒこえていこうぜ!」「美術手帳のろうぜ!」「スタジオボイスのろうぜ!」「ユリイカのろうぜ!」
六回目
円盤コール



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