8月27日円盤 川染&ツポールヌ企画
 円盤に入場すると、十月に行われる24時間ライブのフライヤーが配られる。これが大変素晴らしいフライヤーで、なんと川染喜弘の2万字インタビュー(十四枚組)が収録されていた。
 今回の川染喜弘はトップバッター。ここ数ヶ月おなじみとなった「究極の芸術家論」と「限りなく小さい宇宙論」から始まる。
 フルフェイスのヘルメットを取り出し、「フルフェイス野郎は上から殴るとイチコロ!」と言いながら石で頭頂部を激しく殴打する。「アングラな音楽を聴きまくることによって、誰でもある程度のセンスはつけられる。しかし、そこから先へはいけない。」と主張。フルフェイス着用でラップ。
 ファックスを拳で殴る、フルフェイス着用状態で頭突きしながら分解する。その音をピックアップで拾う。「ハウリングはしない方がよい、テリブルは絞るべし」とラップ。みるみるうちに基盤むき出しの状態になり、基盤にシールドを擦り付けて接触不良の音を出す。客にシールドを手渡し、「受聴者」を利用したサウンドも展開。
 組み立て式の鉄製ワゴンの底にピックアップを貼付け、ピッキング。「誰にでもできるピックングではない。研ぎすまされた稚拙を感じていこうぜ!」
破壊を繰り返しながら「小さな宇宙論」
 「詩吟の研究をしている。同時に詩吟するのを同吟というのですが、それをやります。」といってテープから詩吟が流れる。「ポーリー公ーガーンジャートーリーシーマールー、やーさーしーいーオニーさーん、ガーンジャー売ってーくれたー、ポーリー公ーかーばーんーの中身ー見せろーとー言うー」というような内容を繰り返し歌いながら、だんだん電子声っぽい発声に変化させていく。
 スダレを叩き付けながら、人生の役に立つメッセージを客に送りまくる。あまりに激しくて内容を忘れたが、四国弁で呪術っぽい単語を連呼したり、「お前の心にコンプかけろ」「人生これからだ」など。会場中に石、フルフェイス、ファックス、スダレなどの破片が飛び散り、ライブ終了。

 ツポールヌ氏の機材準備中に、「どうも、名曲をお送りしています」といって突然ラジオDJ口調で会場を笑わせる川染喜弘。
「ハービーハンコック1960年の傑作……美しい旋律ですね……みなさんの、青春時代とリンクするのでは?ケンカワソメがお送りしました」「ソメ、カワソメがお送り致しました」「ヒロ、ヨシカワがお送り致しました」「赤坂泰彦がお送りいたしました」
 イベント終了の挨拶時もこの流れが継続し、ツポールヌ氏と二人で「二人の赤坂泰彦がお送り致しました」

9月24日円盤 (音がバンド名)企画
 自転車+フルフェイスで登場。「ブロンソンソンソン!ブロンソンソンソン!ハラテッツォッツォッツォ!ブロンソンソンソン!」とバイクの音を再現。その後、ギアチェンジによる加速を声で表現し、「パラリラパラリラ、パフパフパフパフ、ブロンソンソンソン!」と再びふかしに戻り、絶妙の間とタイミングで「どうもーぅ、川染喜弘でーっす」ジャンプ&着地。
 「過去にも未来にもいない究極の芸術家」および「限りなく小さいコンセプト」に関する激しいラップに「よっちゃん最近説教臭いって言われるけどなあ、当たり前やろ!説教しとんのじゃ!感じていこうぜ、渋谷!!」
 「新しいチャリの音を聴け」とピックアップ片手に自転車を演奏。「郵政民営化になると自分の生命保険が何か変な事になるらしいから小泉は失敗だった。」スパムメールをラップし、「他世界、他ベクトルの違う生物から、携帯というメディアを通して送られてくる文章をラップするメールアート」の解説をする。
 「バイノーラル録音とか、ホロフォニックス録音ってあると思うんですけど、僕はお金がなくてできない」しかし、「一人の受聴者に向けてなら可能」といって、客をステージにあげ、客の周りで音を出す。ちなみに自分が立たされた客でしたが、顔面周りを中心にバインダーがパキパキする音や、川染さんのラップ、よくわからないプラスチック片をバタンバタンやる音を360°で繰り広げられ、「どうや?この縦の動き!一切、お金をかけないでバイノーラル録音をやってのける俺はすごいやろ!」と耳元で叫ばれ続けた。
 続いて、電源オフ、ソフト無しのファミコンをテーブルの上に置き、「ソフト言ってくれたらプレイできるよ」と、客にコントローラーを渡し「何がやりたい?」とソフト名を尋ねる。コントローラーを握ったはいいが、あまりファミコンの知識がなかったので、闇雲にソフト名をあげたが、「エグゼドエグゼスは今ないんだ。後でやろうな」と断られたり「もっと、最初はメジャーなのやろうぜ」といわれ、初めは「スーパーマリオ3」をプレイ。口BGMと、ボタンに合わせた効果音の応酬。画面がないので、完全に川染さんの判断でゲームオーバーになる。「ロックマン3」をプレイするも「ブラインドでロックマン3は難しすぎるぜ」とすぐに終わる。「ドラクエ3」もプレイしたが、ブラインドプレイの為、壁にぶつかる音だけが繰り返される。「ファイナルファイト2」をリクエストすると、バッグからスーファミのコントローラーを取り出し「何でもあるぜ」。プレステもできるといってコントローラーを渡されるが、その後川染さんのボイスによる「スト2」全クリまでの完全再現が行われる。
 「もう何もしない。評価しろ」と言ってのけ、演奏をやめる。が、すぐ再開し、金属をギコギコやりながら「おれはこのギコギコだけでいいと思ってる。さっきのファミコンとか最初の自転車とか必要ない。アイデアなんか邪魔だ。飽きっぽいお前らがエンターテイメント性を要求するから合わせてやってるだけだ!」と断言する。天を仰いで金属をギコギコやりながら「……美しい!」。壁に抱きついて「よっちゃんのギコギコに一生ついていくよ!なんていう美しさだ!」。全部の音を止め「ギコギコだけ聞けや!」客席にのぼり「……美しい!」。一通りギコギコやった末に「ちょっと余りにも美しいので高円寺の人に教えてくるわ」と言って円盤を飛び出す。が、すぐ戻ってきて「嘘じゃ!」。「ギコギコだけしとったらいいわ!」と言い続け、ずっと流れていたビートを爆音にして「お前の心にコンプかけろ」を連呼し、ライブ終了。



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