6月16日新大久保アースドム
 リズムマシンからビート。今日の後韻が「(舌を打って)コッカッ、(閉じた唇から空気を押し出して)ブー!」であることを、ふんだんに後韻を踏んで説明。 「今日の前衛ヒップホップの後韻はコッカッ、ブー!そう語尾に『コッカッ、ブー!』することによってコッカッ、ブー!すべての韻が踏めてしまうという寸法なんすコッカッ、ブー!オッケー、前のめりで感受していけ。俺は九年間、あるライブハウスで働いていたんコッカッ、ブー!その際に強制的にメロコアに詳しくなってしまった俺が送るメロコアのネクストステージ行ってみようか!コッカッ、ブー!」
 テープレコーダーからサイン波の音を再生する。その音をオケに、適当な英語でメロコア風に歌唱する。
 ボクシンググローブを手にはめ、「ヘイ、ミュージックスタート!」リズムマシンからアメリカンなビートを再生、激しいフットワークを刻みながら、マイクスタンドにぶら下げたタンバリンにパンチを打ち込みまくる。「明日のジョー」のカーロス・リベロのトレーニング風景のカバー。「ヘイ、カモン!ジョーヤブーキ!ジョーヤブーキ!いいパンチ入ったね、ヘイ、カモン!」などとトレーナーと対話する風にして外人口調でしゃべくりながら、パンチをあびせかける。「いやあ、究極の現代音楽きちゃったね……」
 革靴を履いてタップダンスをしながらラップ。「お前らは今日このあと、新大久保の韓国料理屋でユッケが、ユッケが、そう、……ユッケが鼻につまって窒息死するかもしれないコッカッ、ブー!その可能性はゼロじゃないんだ、コッカッ、ブー。さて、ここでクイズです。私はいったい何回タップしたでしょうか?」「150回?」「150回!彼は150回と答えてくれたけど、正解は約百回、正確には105回でした!残念、不正解!いやあ、景品のほうはハワイ旅行とベトナム旅行とインド旅行のほうを用意させてもらってたのですが、アウト、ということで残念でした!コッカッ、ブー!ごり押しで感受していけ!」
 5月26日高円寺円盤で行った「バナナの皮で滑って転んでピアノ演奏」を発展させたもの演奏。「あらかじめバチを一本持っておく→リズムマシンを押して大きい音を出す→驚いてその場で跳躍する→ドラムスティックを踏んで転倒する→南国の楽器を発見し、そのせせらぎのような音に酔いしれる→酔いしれて酔っ払った先で発見した笛を吹く→その音色で眠りこける→寝返りを利用してマイクスタンドにぶらさがったタンバリンをたたく」というプロセスを肉体にプログラミングすることで、毎回同じ演奏ができる、というもの。何度か実演しながら説明し、「ヤベーシビーカッキー」という。椅子に座って、プログラムのシステムについて説明するミュージシャンの模倣をする。めちゃくちゃな英語の中に断片的に「max/msp」とか「プログラム」とか「ラップトップミュージック」といった単語が挟まることによって、英語より英語らしく聞こえる。英語で説明しながらの実演も。「(客に向かって)お前やれや!やらない?はずい?(激昂して)ウオー!アパッチの叫びじゃ!オッケー、ジェロニモ入った〜!コッカッ、ブー!(激昂して)ウオー!おまえな、このあとユッケが鼻につまって窒息死する可能性もゼロじゃないぞ?だめか?はずいか?」
 メロコアのネクストステージの続き。「矩形波メロコア」「のこぎり波メロコア」「ホワイトノイズメロコア」「ピンクノイズメロコア」など。それぞれの波形やノイズの種類について詳細な説明を加えながら、直後、メロコア歌唱、ダイブ。「椅子とモッシュしてやるわ!」といって椅子ともみ合う。「灰皿ともモッシュしたるわい!」といって、灰皿とももみ合う。「2000年早すぎた。お前らが俺のコンポジションに食いついてくるにはあと2000年かかる。」
 最後のコンポジション。マイクにディストーションをつなげたものをまず用意する。エフェクトをかけずに、まずはしゃべる。「お前に、いや、お前のみに!究極のリリックをたたきこんでやる!俺のおかんとおとんは、めちゃめちゃ喧嘩してた。もう、喧嘩になっては、おかんが包丁もってこれもんよ(と、前方に向かって何度も腕を突き出す)、そんでおとんはこう(といって、顔面を振りながら包丁をよける動作)よけて、家でてって、また帰ってくると包丁だから、「喜弘財布だけ持ってきてくれ」というのだけど、「そんなの関係あるかい」といって、おかんはまた包丁を突き出すわけよ。まあそんな喧嘩喧嘩の日々でした。おとんは俺が中三のときに完全に姿を消すのだけど。それで、まあ、ある日だ。三人で車乗ってるときに、おとんが、おかんにぶちぎれて、そのとき、海沿いを走ってたんだけど、おとんがぶちぎれてしまって『このまま海に飛びこんだるわ!』といってアクセルを踏み切ったんですね。それをうけておかんが、あ、僕喜弘っていう名前なんですけど、こう、叫んだんですね。『喜弘ォ!ブレーキ踏めェ!』(瞬間、思いっきりディストーションのスイッチを踏み抜き、エフェクトがかかり、ブレーキ音に似た激しいノイズが響き渡る。)どうよ、この究極のリリック。『このまま海に飛びこんだるわ!』『喜弘ォ!ブレーキ踏めェ!』(ディストーション踏み抜き)『このまま海に飛びこんだるわ!』『喜弘ォ!ブレーキ踏めェ!』(ディストーション踏み抜き)『このまま海に飛びこんだるわ!』『喜弘ォ!ブレーキ踏めェ!』(ディストーション踏み抜き)『このまま海に飛びこんだるわ!』『喜弘ォ!ブレーキ踏めェ!』(ディストーション踏み抜き)」
 客に『このまま海に飛びこんだるわ!』『喜弘ォ!ブレーキ踏めェ!』と叫ぶように要求する。客のあおりに応じて、ディストーションを激しく踏み抜き、ノイズを発生させる川染。最後、大きい動きで踏み抜いたあと、しばらくノイズを発生させて、スイッチを切り、「ありがとう!川染喜弘でした!」
 最高にかっこよかった。

6月29日 六本木スーパーデラックス
 ビートなし。ギター縛りのイベントだったため、ギターにかかわるコンポジション。ピックアップを貼り付けたアコギの反響穴をマイクにラップ。弦に灯油(たぶん)をかけながら、ライターで火をつけようとする。が、なかなかうまくいかず「もたつきをローワーケースサウンドととらえろ。おれはいまミクシーでローアーケースコミュニティの管理人をやる羽目になっている。おれがローアーケースコミュの管理人だってことを決して忘れるなギタ。」後韻は「ギタ」。
 ハンマリング奏法を実際にハンマーでやる。ほうきではくようにして弾くブラッシング奏法(たぶん)を実際にほうきでやる。ギターをほうきではきながら、ラップ。「ギターは打楽器だ」といってバチで一瞬弦をたたく。ハンマー、ほうき、バチを使った奏法によるインプロビゼーション。
カセットテープの破片を反響穴に投げ込んで、限りなく間抜けであるのと同時に、えらく気合いの入った腰のふりとともに、アコギを前後に激しく揺らす。「アコギのなかに何入れたでしょうかクイズ〜!」読んで字のとおり、アコギのシェイクで破片がアコギの空洞を跳ね回る音を便りに何を入れたのかをあてるクイズ。テープテープの破片、乾電池、ビールの蓋など。あたればハワイ旅行やインド旅行。回答しない客に、「六本木のラーメンが喉につまって死ぬ可能性もゼロではないんだ!」
 ライブハウスの仕事とメロコアに関する定型リリック。「メロコアを強制的に極めざるをえなかったおれが提唱するメロコアのネクストステージ、『プリペアドギターメロコア』だ!」ギターの弦に割り箸やテープケース、軟式テニスボールなどをどんどん挟んでいき、即席でプリペアドギターを作成。「みんなありがとう。僕らのバンドの新曲聞いてってください。東京名古屋大阪ツアーまわりながら作りました。生きててつらいこととかいっぱいあると思うんですけど、この曲で楽しんでってください」と関西イントネーションでメロコアバンドMCの形態模写。適当なメロコア風の曲名を叫び、メロコアとしか形容できない歌唱をしながらプリペアドギターを演奏し、誰も傷つけないやさしい一人ダイブをしてライブ終了。


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