8月11日高円寺円盤
 シーケンサーから三拍子のビート。
「どうも、川染、喜弘だ!これから約1時間ほどライブさせてもらうわけだけども、僕のライブが一見するとワケのわからないものに感じられるかもしれない。はじめましてのお客様もいらっしゃると思うので、少々面食らうことがあるかもしれない。目が覚めたら無人島に迷い込んでいるとしよう。そして、顔の半分が青色、半分が黄色、そして唇をムラサキに染めている原住民に取り囲まれたとしよう。彼らはなにやら見たこともないような民族楽器で突然演奏をはじめる。意味がわからないですよね、無人島だし、顔はペインティングしているし、、でも、その演奏を聴いていたらなんだか良かった、、と。そういう風にしてライブを聴いていただけたら、それが僕の芸術の一つのゴールであります。また、僕のライブはかなりユーモア極まりないことになっているのですが、みなさんは幼少期に漫画本を読んだ経験はありませんか?漫画本、、気楽なもんですよね、横になって漫画読みーの、菓子ポリポリ食べーの、たまに寝ーの、そしてまた漫画読みーの、それで、気がつくと、なんか大切なことを受け取っていた、漫画本に書かれていた言葉が人生を生きる指針になっていた、、そんな経験はないだろうか?僕はあるんだけど、僕のライブもその漫画本のスピリッツで感受していただけたらと思う、オッケーいこう!」
 「肘をぶつけるとビリっとするのは痛点が集中しているからって聞いたことがあるぴょん、肘をつねっても痛くないのは肘の皮に痛点がないからぴょん、足吊る足吊るっていうけど、足を吊ったことがないからわからないぴょん」のミニマルラップ。
 レコードに針を落とし、その針が落ちる瞬間に『針がレコードの終点に到達してレコードをジリジリ鳴らす音』をサンプラーから流す。その音を椅子の上に座って神妙な顔で聞き続ける川染。マジックペンで額に第三の目を書き、目を閉じてサンプラー音を聞き続ける。10分間ほどの演奏。
 スクリーンに銀河の静止画像を投影し、そのスクリーンのうしろに顔だけ隠れて、銀河の顔をした男にはやがわりする川染。
「イエー、見えるか、この銀河にまたたく三つの強い光が、、そう、これこそ夏の代表的な星座、夏の大三角形だ!いこう、夏の大三角形ラップ、三拍子のビートにあわせて、夏のトライアングルフォーメーション!(ビートにあわせて)1,2,3の三拍子(とラップしながら、指で表現している数字が発話された数字と毎回違う)!1,2,3の三拍子!1,2,3の三拍子!(両手を顔の前に出し、三角形を作りながら)トライアングルフォーメーション!夏の大三角形、1,2,3の三拍子、(両手で三角形を作って)トライアングルフォーメーション!打ってよし、守ってよし、走ってよしの三拍子!打ってよし、守ってよし!走ってよしの三拍子!(手で新しい形を次々つくりだしながら)トライアングルピーポーフォーメーション、三拍子、トライアングル、プラズナマイナズマ、オメガオメガ、トライアングルフォーメーション!打ってよし、走ってよし、守ってよしの三拍子!打ってよし、走ってよし、守ってよしの三拍子!うまい、はやい、やすいの三拍子!トライアングルフォーメーション、夏の大三角形!うまい、はやい、まずいの三拍子!うまい、やすい、たかいの三拍子!トライアングル!トライアングル!プラズママイナズマ!うまい、おそい、まずいの三拍子!トライアングルフォーメーション!」
 街を上空から撮影した航空写真の静止画をスクリーンに投影する。
「いまからみなさんの頭上でラップしていこうと思います!(俯瞰した街にむかって)聞こえるかー、えんばーん!みなさん、こんなに高く離れた頭上からメッセージをたたきつけられたことありますか?みなさーん!聞こえるかー!えんばーん!で、みなさん気づかれたと思うんですが、『この街の写真、高円寺じゃないじゃん』と、『池袋じゃん』と。。それはなぜかというと、、無料素材を使っているから、、お金がなくて無料素材しか用意できなかったから、池袋に向かって高円寺と叫んでいるわけよ。そこに美しさを感じ取ってほしい。えんばーん!きこえるかー!えんばーん!」
「駅名+くんだり」ラップ。出発点から高円寺に向かうにつれて、少しずつ「○○くんだり」のボルテージをあげていき、「高円寺くんだり!」の瞬間、PAの協力によってスペースエコーのエフェクトがかかる。出発点は、渋谷からだったり、横浜からだったり。「高円寺くんだり!」でエコーをかけたあと、「西へ東へ大・騒・ぎ!」といいながらジャンプ、その瞬間もエコーがかかる。「オッケー、PAさんとの相性バッチリです!ありがとう!PAさん、正式にはPublic Addressさん!大久保くんだり、東中野くんだり、中野くんだり、高円寺くんだり!西へ東へ、大・騒・ぎ!」
くんだりラップ中に、スクリーンに投影されていた街の写真が、地球の写真に切り替わる。「うおー、どんどんマクロ視点になってくぞ!どんどんマクロ視点からリリック投げかけられるぞ!地球のみなさん!肘をつねると痛くないっていうけど、あれあそこには痛点ないっしょ!地球のみなさん!円盤!聞こえてますか円盤!足吊るっていうけど足吊ったことないからわからないよ、、(地球に向かってマイクを向けながら)えんばーん!」
ダンボールにリリックを書き、その場でカットアップコラージュしていく。
「ひじつねってもいたくないけど ぴょん」というリリックに「高円寺くんだり フランスくんだり パリくんだり」から「くんだり」と「パリ」をカット&ペーストしたり、リリックの一文字に「ここで水フィルタリングをかける」「人力でディレイをかける」「『く』をさらに細かく切り刻んでいく」などの文字によるエフェクトを加えていく。最終的に「ひじつねってもいたくないぴょん」が「じバリ(パリをカットアップコラージュし、『パ』の半濁音をカットして濁音をコラージュ)つね(水を飲んで水フィルタリングをかける)ってひもく(人力ディレイ)んだり(ガムテープを口に貼ってフィルターをかける)いた『くな(く、な、をそれぞれ短く切り刻んでいく)』いけ(デスボイスからホーミーに変化させる)どぴょん」というようなリリックに変化する。
最後は、花を植えるコンポジション&関西女による『ライブに参加しないと後悔する』の形態模写。今回の花はオリーブ。オリーブと四回叫んで、最後のジャンプでスペースエコーがかかり、ライブ終了。オリーブの花言葉は平和・知恵。



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