4月13日 高円寺円盤
「無人島に迷い込み、ワケのわからない集団に出会い、ワケのわからない音楽・芸術をいきなりはじめられ、はじめは面食らったものの、聴いているうちにだんんだんワケもわからなく感動してしまう。その感覚が川染喜弘の芸術のひとつのゴール(であり、ひとつの見方である)」と「子供のころ、くだらない漫画本を寝転がりながらお菓子を食べて読み、笑い、時に涙を流しながら、人生を生きるうえで重要な指針となるような何かをユーモアの奥から受け取った。川染喜弘のライブもそのような漫画本のスピリットとともにお届けしているので、ユーモアの要素を大事にしているし、ユーモアの奥から何かを感じ取ってほしい」という前説からライブスタート。
防止を鼻の下までかぶってジャミロクワイの扮装をし、サンプラーにデフォルトで入っている大量のビートの音を定期的に変えながらラップする演奏。ビートのジャンルが変わるたびに、ラップするときの川染喜弘のラップスタイルもそのジャンルに合わせて変化する。激しいビートのときはダミ声&ヘッドバンキング、スムーズなビートのときは、どこかけだるそうな、流れるようなラップ、ドープなビートが流れるとギャングスタラップを展開するなど。。「銭湯で録音してナチュラルリバーブを手に入れろ!」というリリックを何度も繰り返し、ラップとラップの間に「ポウ!」というディレイのかかったボイスを挟み込む。「節分の豆を一年中食べたい。節分の豆は、一月の初頭くらいから店頭に並び、節分が過ぎるともう店頭から消え去ってしまうが、あの、節分の豆、一年中食べたいと思わないか?おれは食べたいんだよ!塩分なし、添加物なし、えんどう豆には興味なし、一袋百円、ついついポケットに入れてパクパク食べちゃうよね、節分の豆。おれは節分の豆が店頭に並びはじめると片っ端から買いだめしてるんだけど、もう4月になるころには全部食べきっちゃってる!ポケットに入れておくとついパクパク食べちゃうから!塩分なし!添加物なし!えんどう豆には興味なし!」「餅つきは一年中やるべきだと思わないか?あれも三月に一回やるだけだろ。餅をつくおっさんとおばさんのコンビネーション、杵、手、杵、手、杵、手!危ないと思わないか?おっさんの杵がおばさんの手を打ち砕く瞬間を見たことあるか?おれはない、完璧なコンビネーション、杵と手、スーパーの餅には添加物が入ってる、つきたての餅は最高だ!一年中食べていたい、餅つきを一年中行うべきだ、つきたてのお餅、一年中食べていたい」「as soon asもうすぐ!as soon asもうすぐ!my name is tennis!hey mom,i play drums my name is drums together my name is tennis,i have a pen as soon asもうすぐ!」
ラップをしながらイスの上に乗って踊る川染を平行移動させるコンポジション(川染の足元はダンボールで隠されており、川染がまるで動く床の上でスイスイ動いているように見える、という演奏)
「ラウンジタイム」といって、静かな演奏に。電気マッサージ機の振動を利用したサンプラー演奏。ボタンの上にマッサージ機を置くも、なかなかうまく連打されない。カセットテープで高さをあわせ、サンプラーのボタンとマッサージ機の隙間に紙を挟み、ガムテープでマッサージ機を固定し、さらにそのガムテープを引っ張ることで力に微調整を与えていく川染。連打される瞬間に手を離すも、なかなかその状態が維持されず、その微調整&連打のすばらしい演奏が続く。「これが実験音楽だよねー」といいながら、真剣な表情でマッサージ機を調整する川染。10分ほど微調整したときに、調整の手を止めて立ち上がり「(コンセプト、演奏の内容が)小っちゃ!」と叫んだ瞬間、連打が成功し、高速のビートが発生する。大喜びする川染、と、同時に再び停止する連打→再び微調整へ、、の繰り返し。
携帯電話のサウンドを利用した演奏。「ピュウ、ピュウ」という、子供が履く踵から音の出る靴の音によく似た音を携帯電話から鳴らしながら、その音に合わせてその場で歩く、という静かな演奏。携帯電話の音を操作しながら「新しい携帯電話を手に入れたら、まずその携帯のサウンドチェックを怠らないだろう?俺は携帯電話を操作するこのサウンドで、みなさんがミクスチャーロックと同じ盛り上がりをしてくれることを期待している」といって、その場で誰も傷つけない優しいダイブ。立てかけた携帯電話の前にマイクを置き、携帯電話に入っているメロディーをビートにしてラップする。
ギターのシールドを縄跳びとして使い、二重飛びにチャレンジするコンポジション。「俺は、小学生のとき二重飛びができなかった。これは二十年ぶりの挑戦だ。成功することを祈りながら固唾を呑んで見守ってほしい。シールドだってこうやって楽器にすることができる。俺は二重飛びができなかった。あと、逆上がりもできなかった。」といって、シールドを手に巻きつけて二重飛びをしようとする川染。だが、狭く、ライブによって散らかった場内では、シールドが後ろのカーテンや落ちている物、テーブルなどに引っかかってしまい、なかなかうまくいかない。物をどかし、何とか飛べるスペースを確保する。激しく飛びながら、何度も二重飛びに挑戦する川染。過剰に飛び跳ねるので、二重飛びをするたびに、転げ落ちるような着地をしてしまう。「できてたか?できてた?できてたら、縄跳びカードに『二重飛び:1回』って印つけなきゃいけないから!もっかいいこうか?もっかいいこう!」といって、二回、三回と二重飛びを繰り出し、ライブ終了。



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