10月1日 青山 月見ル君想フ
「片岡ハルカ、行徳未来 結婚パーティー」でのパフォーマンス。
シーケンサーからビート。咆哮して拳を突き上げながらライブ開始(その中には、往年の名コンポジション『吉田栄作の「うおー!!」のカバー』も含まれる)
「どうも、川染喜弘だ。片岡ハルカ、行徳未来、結婚、おめでとー!!!今日は、片岡ハルカくんと行徳未来さんの結婚パーティということで、いつになく緊張しているわけだけれども、よくよく考えてみたら、いま、ここに集まっている全員の気持ちはただひとつなんだということに気付かされた。そう、それは、ハルカくんと行徳さんの結婚をお祝いしたいという気持ちだ!うおー!!これなんかは、ハルカくんは同世代だからピンとくるだろうけれど、吉田栄作の『うおー!』のカバーだよね。うおー!!オッケー、そう、今日は、ハルカくんと行徳さんの結婚パーティということで、これほどめでたい日はないだろう!先ほどMCでも紹介があったけれども、僕とハルカくんとは、吉祥寺の東風という場所で出会った。今でこそ、僕は今年で34歳、ハルカくんは一つ下のサーティスリーボーイなわけだけど、当時は僕も22歳とかだった。そのころは、かなりうだつのあがらない人間だったのだけど、それはさておき、東風という場所で、ストU大会というイベントを、僕が開催させていただいたときに、参加してくれて出会ったのがこの片岡ハルカくんだった。それで出会って、話しーの、ゲームやりーの、話盛り上がりーの、家に遊びに行きーので仲良くなりーので。それで、紆余曲折あって、いま、こうして結婚パーティに呼んでいただいて、本当に嬉しく思う。うおー!!おー!!よっしゃ、『ハルカコール』いくぞー!say!ハールーカッ!ハールーカッ!」
(コールとコールの隙間に「ごちそうさまがきこえない」と入れたりしながら)「ハルカ」コール、「未来」コール、トルシエコール、稲本コールと展開していく。「(トルシエ、稲本コールに対して)まあそういう、前のワールドカップのときの思い出があるのですが…」
ウェディングソングをサンプリングしたビートにかわる。辞書をひきながら韻を踏んでいく前衛ヒップホップ、MCディクショナリー。「ハルカ」なら「ハル」が含まれる言葉、「未来」なら「ミク」が含まれる言葉を、辞書でひいて、その言葉で韻を踏んだり、辞書に載っていない言葉も時折交えながらフリースタイルを展開していく。「ハルカ」では、「ハルカと春を感じながらハルカと春風を浴びてハルカとバルコニーに佇みながらハルカとパルテノン神殿で春の七草をつんでパルメザンチーズとハルカとパルテノン神殿で春告げ鳥に春を告げられながらハルカの心のバルブを引き締めてハルカと春休みを過ごしながらハルカとはるばるパルテノン神殿でパルメザンチーズと春の七草を頬張りながら遥かなるオーガスタをプレイし続けることでハルカと遥かなるオーガスタとパルテノン神殿と心のバルブとパルスとハルカと春場所を鑑賞しながらハルカのパルチザンが…」というように言葉が繋がれてゆき、「未来」では「未来のミクロンがミクロコスモスとマクロコスモスに広がっていきながら未来とミクロコスモスを見比べながらミクロンと未来と初音ミク…」と繋がれる(「ハル」に比べると「ミク」は辞書に載っている言葉が少ない)。
「ちょっと、習得してきたんで」といって、もたつきながらアコースティックギターを準備する川染(ストラップがはずれたり、弦に食い込んだり、マイクの位置が定まらなかったり、楽譜立てが倒れたりする)。山崎まさよしの『セロリ』を限りなく原作に近い形(声も表情も)で弾き語りでカバーする。途中、舌をペロリと出したあとに、「表情とかもかなり研究してきてるから」歌い終わっての第一声は「かなりサイケ入ってて、もしかしたらアシッドフォークだったかもしれない。でも、ハルカくんの友達が集まってるから、ここにはアシッドフォークとかも聞いちゃうような音楽好きばかりだと思うので大丈夫だろう」
さらに、「かなりのエクスペリメンタルになると思うけれど、ハルカくんの友達が集まってるから、ここには実験音楽とかも聞いちゃう音楽好きばかりのはずだ」「かなり音響派入ったけれど、ハルカくんの友達が集まっているから、音響派とかも聞いちゃう音楽好きばかりのはずだ」とたたみ掛けながら、楽譜の次の楽曲が書かれているページを探す川染。
時計を見て「残り二十分しかない!」といってあわてるも、「ちょっと、いろいろ用意してきたんだけど、時間がないのでファストコアでいこうと思う。ハルカくんの友達が集まっているから、ナパームデスとか聞いちゃう音楽好きばかりだと思う。30秒くらいの曲が50曲くらい入ってるナパームデスとか聞きなれてる人たちがそろってるから大丈夫だと思う。だから、時間ないんで、ここからはファストコアでいきます。ナパームデスでいきます」といって、続けて『関白宣言』のメロディで『てんとう虫のサンバ』の歌詞を歌う実験的な弾き語り。
新郎新婦にささげるTJ(テープジョッキー)。藤井フミヤ『True Love』、ドリカムの『未来予想図』、中島みゆきの『糸』などを繋いでいく。このTJは、興に乗ってくると曲にあわせて歌いだすというスタイルをとっている。また、曲が流れている間、エアスポーツや形態模写を展開していく(ボクシング、トルネード投法、サブマリン投法、ソフトボール、バッティング、剣道、ゴルフ、ネクタイを使ったダンスなど)。「よし、小宇宙(コスモ)を高めていこう」
長渕剛の『乾杯』という曲の、初期の音源と年を経て再録された別バージョンを聞き比べる。音量を調節するフェーダーを高速で上下させ、トレモロ状態を作り出していく。「宅録し始めたころにみんながやる、人力トレモロ効果だ。俺はこうやって今でもやっているけれど」と川染。「初期の感じつかめたかー!?」「初期との違い聞き取れたかー?」と煽る川染。「これから、この2バージョンある『乾杯』を、シンクロさせて再生させようと思う。そして、この歌がシンクロナイズした瞬間に、みんなで、『乾杯』を合唱しましょう。恥ずかしがってる場合じゃないぞ!二人の結婚を真に祝える日は今日しかないぞ!合唱していこうぜ!」二つのテレコから流れる『乾杯』はシンクロせずにズレまくった状態で再生される。スモークがたかれ、ストロボが点滅するなか、ズレた状態で流れるそれぞれの『乾杯』のサビが壮大な音を響かせる。「君に幸せあれ!」の部分を何度も全力で歌い上げ、ライブ終了。

10月10日アーツ千代田3331
5時間ライブ。
「ユートピアのお知らせ・ステキなお部屋探し、クロージングイベントへようこそー!!川染喜弘だ。今日は、5時間ほどライブをさせていただくわけだけれども、この川染喜弘、音楽家としてのキャリアが14年目を迎えまして、ディグりにディグってディグりすぎた結果、最近は、ついに、ディグる穴がなくなってしまった。つまり、音楽家として、とうとうフィナーレを迎えつつある。今日、音楽をやめてもいいかもしれない。子供のころ、砂場をディグる遊びをしていたことがあると思うのだけど、砂場をディグってディグってディグってディグって、そのままディグりつづけたら、地球の裏側まで行けるんじゃないかと、そんなことを信じて穴をディグり続けても、赤茶色の土が出てくるばかりだったよな。ここに、音楽を追求に追求して、14年間、ディグってディグってディグってディグってきた俺がいる、そして、その俺が、もう掘る穴がなくなったと、そう実感している。この五時間では、ついに掘る穴がなくなった後の世界が、みなさんにお届けできるのではないかと思う。いいか!ディグる穴はもうなくなったぞー!もう何もやることないぞ!つまり、フェニックス飛んだ、なんだよ」
「お父さんがピアノを運ぶ仕事をしていたから、家に、エレクトーンが三台あった。幼い俺は、そのエレクトーンの鍵盤に油性ペンでドレミファソラシドと書いてしまった」
「貯金と預金の違いを教えてやろう。貯金は郵便局、預金は銀行だ、このプチ情報をお届けするためにはるばる四国から上京してきたぜ!」
「望遠鏡を覗き込むときは、その前に、自分の周りに精神年齢が低い大いなる神々がいないかどうかをしっかりと確かめろ。もし、精神年齢が低い神々がいた場合、望遠鏡をのぞいているときに、反対側から望遠鏡をプッシュされ、目に神々の大いなる一撃を受けることになる」
「かつて、フラフープが流行ったときに、フラフープのやりすぎで腸を痛めた奴がいるという、だから、フラフープのやりすぎには注意しろ!」とフラフープの危険性を訴えるラップ。
「畳一枚ほどの広さを持つ四畳半の中で、レッドカーペットをシュルシュルシュルシュルとアンダースローの要領で敷き詰める、その上を何人ものムービースターが歩いていくだろうが、そんなことよりもただレッドカーペットをただ敷きたいだけ、真っ赤な絨毯がすべるように敷かれていく様を見てみたいだけ、そこを歩いていくムービースターが、二人、三人、そして、俺たちの真っ赤な優勝旗と、レッドカーペットを敷き詰めながら、四方八方からシュルシュルシュルシュルと敷かれて行くレッドカーペットの、その中心に置かれた立方体、その立方体を守る金のナイトたちが、立方体をなぜなぜなぜなぜと撫で回す際に発生するエネルギーが、レッドカーペットの中心から立ち上り、上空へと螺旋を描きながらお互いのエネルギーをスパークリングワインさせて上昇していく、その上昇したエネルギーが集結する『ポイント』を、高校球児たちが忌み嫌うその金属バットで持ってフルスイング!」というようなリリックを何度も繰り返す。基本的には、レッドカーペット→中心に向かうエネルギー(が、リリックで詳細に語られる)→上昇していくエネルギー→『ポイント』→金属バットで打ち抜かれるの反復。『ポイント』に行く度にリセットされながら、反復のたびに様々なリリックが追加され、コラージュされるラップ。(その、コラージュされるリリックは、これからレポートの中で出てくる、ほとんどの言葉が対象とされ、サンプリングされる)
「プッチンプリンをプッチンする際に、お前たちがその右腕を痛いほどにひねりながら回転させねじりあげ、プリンを反転させる、そして、その右腕を(ポケットの中に手を突っ込む動きをしながら)ニルギリスする際に生ずる抵抗にも負けず、プリンは、容器から離れ、その特有の身体表現とともに白い皿の上に落下していく、プリンは、白い、そう、真っ白いペガサスの羽根と羽根の間にある人が座れる程度のセーフティゾーンに向かっていままさに落下しようとしている、プリンがペガサスの背中の羽根と羽根の間の安全地帯に落下しようとするその刹那、そのペガサスを、真っ赤な優勝旗で包み込め!プリンのカラメルの部分を、チェーンソーで細切れにしながら、その断片を(ポケットの中に手を突っ込みながら)ニルギリスして、痛いほど返した手首でレッドカーペットを敷き詰めて、オマエの心をクリント・イーストウッドしろ!そして万華鏡でも作っちゃえばいいじゃん?」
「眼前に広がるのは、ケンタウロスとミノタロウスが守っている阿修羅の門、そこをくぐりぬけようとしても、ケンタウロスとミノタウロスが自動ドアのように道をふさぎ、行く手をさえぎるだろう、その隙間を、高校球児が忌み嫌う金属バットでフルスイング!しかし、阿修羅の門を超えた先には、また第二、第三の阿修羅の門が、、第二の阿修羅の門はチップ&デールが守っているが、そこも金属バットでポイントを打ちぬけばいい、第三の阿修羅の門はリロ&スティッチが守っている、すごいききめ、アラふしぎ、おまじない、ケン太郎主、著!」(「すごいききめ、アラふしぎ、おまじない、ケン太郎主、著!」は、特徴的な動きとともに、ライブ中何度もリリックとリリックの隙間にコラージュされる)
6段ギアの自転車を立ちこぎする際の注意点をラップしたのち、越谷という同級生のお兄さんが持っていた36段ギアの自転車を賞賛する。会場を巻き込んでの盛大な「越谷の兄ちゃん」コールが巻き起こる。「おお!ラストに『ユートピアのお知らせ』コールやらせてもらうから、この越谷の兄ちゃんをリスペクトしたときのエネルギーを最後にも発揮してほしい!」
「横浜ベイスターズ優勝おめでとー!そう、俺たちは横浜生まれ横浜育ち単車乗り回し、円山町でレコード買いあさり、ハハッ、俺たちが桜木町だと思ってたところは今はみなとみらいとか呼ばれてるらしいぜ、山下公園近辺を単車乗り回しながらジャズを聴きあさってた60年代初頭」
「近代とは、近世のあと、現代の前にある一時期のことである」という情報を何度も繰り返しラップ。「にっちもさっちも」の語源を説明するラップ。
「『パリジャンの一日』川染喜弘・著。朝起きてまずコーヒーを一杯、マッキントッシュ片手にメールのチェック、夜のパーティに備えてモードの服に着替え、家から出て眼前に広がるのはセーヌ川、行き先はもちろんエッフェル塔、フランスパンにかじりつきながらシャンゼリゼ通りを突っ切り、シャルル・ド・ゴール空港へひとっとび、セーヌ川に視界を戻してみれば、川沿いの道路は大道芸人たちが群れをなして道をふさいで芸を披露している!」
「ラバペロラバペロ〜、ラバペロー、ラバペロー、ラバペロラバペロ、オイ!オイ!オイ!」という歌で会場を大いに盛り上げる川染。
用意してきたビートを鳴らして「これはまあまあ」「これはヤバい」ヤバすぎるっしょ!」の三段階くらいの評価を下していき、ヤバすぎるときは叫びながらその場に倒れて悶絶する。「じゃあ、このヤバいのと、このヤバいの、、これを、同時に鳴らしてみたら、どうなると思う…?(音が鳴って)これヤバすぎるっしょー!!(卒倒)」
「アメリカにある電子音楽家がいるのだけれど、俺は、そいつの音を聞いてめちゃくちゃ感動して、そこには言葉もなにもないけれど、そいつがテープに吹き込んだアブストラクトなサウンドに、そいつの人生のすべてが詰まっていると感じて、その電子音に深い感銘を受けた。そのアメリカの電子音楽家の名前については、ここでは言及しないけれど、ライブが終わったあとに、気になった方は是非、僕に尋ねてほしい、川染さんがライブ中に言ってた、例のアメリカの電子音楽家って誰なんスか、と、気になって仕方ないキッズがたくさんいると思うから、そういうキッズは、あの音楽家誰なんスか、と、終わったあとに尋ねてくれればと思う」というようなラップをしたのち、サンプラーを二台使った電子音による即興演奏を展開する川染。
「平塚七夕フェスは忘れられない一夜となった」
「男子たるもの、一人称を俺にするか僕にするかで、悩むことがあると思う。俺だと、ややがさつな印象になるんじゃないか、僕だと軟弱すぎるんじゃないか、、そう思い悩むことがあると思う。そんな皆さんに、最高の解決策、新しい一人称をお届けしよう。俺でもなく、僕でもない、そう『ぼれ』、、何度だって繰り返すぜ!俺だとがさつすぎる、僕だと軟弱すぎる、そんなあなたにお届けする一人称、『ぼれ』!もう、逃げ道として自分のことを『某』とか呼ばなくてもいい、おれたち、いや、ぼれたちは、俺か僕か迷ったときに『当局』とか使わなくてもいい、なぜなら、ここに新しい一人称が誕生したのだから、、ぼれ…!」
「ライブはあと3時間もあるけれど、もう、ディグる穴が本当になくなってしまった。、、(サンプラーやシーケンサーを指差しながら)持ってきたビートはこれで全部でしょ、、ディグる穴は全部掘りつくしてしまった、、第八部完!ライブ開始の段階ですでに音楽家としてのキャリアが終焉を迎えていたけれど、ついに徹底的に何もやることがなくなった、、ここで『完』でいいくらいなんだ、だが、あと三時間ある、、ディグる穴はなくなってしまって、第八部は終わってしまったけれど、これから残りの時間、第九部に突入しようと思う!とはいっても、もう本当にやることが何一つないのでね、、第九部、キューブリック、うーむ、、お客様が続々と増えてきましたが、これから先の三時間ではなく、これまでの二時間を見てほしかった気持ちもありつつ、、しかし、ついに第九部に突入してしまった!」といって、会場をうろうろしながら、徒手空拳で新たなコンポジションを探る川染。
YAMAHAのシーケンサーQYの説明書を書き換えてみて、それを実践してみるという試み。「電源が入っているかどうかを確認する」→「電源が入っているかどうかを執拗に確認する」に書き換え。シーケンサーの電源をいろんな角度から見つめ、ひっくり返したり逆から見たりして何度も執拗に確認していく川染。「レコーディング方法の設定」の「レコーディング」の部分を、辞書をめくって出てきた単語に書き換え、「下打ち合わせの設定」ということになる。「下打ち合わせ」のサンプルをとるも、サンプラーとシーケンサーがどちらもYAMAHA製で、一つのアダプターを使いまわしていた(同時に使えない)ので、そのサンプル音を流しながらシーケンサーを操作することが不可能ということが判明し、コンポジションが混迷を極める。「リアルタイム録音」を「近世に録音」に変える。「はい、時空を超えて、録音、され、まし、た(手を打ち鳴らす)と」というめちゃくちゃな解決案を出す川染。「この作品はちょっと難しすぎるからやっぱりやめよう」
丸重箱をビリヤードのようにつつく演奏。独自のルールで展開され、おそらく一点入ったと思われる瞬間に、ゴールを決めた歓喜で咆哮する川染。
「コンビニのバイトやってたころ、『急いでるから早くしろよ!』って急かしてくる客がいたけれど、そんなに急いでるんならコンビニを利用しなければいいでしょうがー」
バトミントンのラケットにコンタクトマイクを装着して打楽器にする演奏。ガムテープが見つからず、網目の間に無理やりコンタクトマイクをはめ込んでの演奏となったので、たたきながら何度もマイクが落下する。コンタクトマイクを装着しなおす際に発生するノイズが何度もアンプリファイされる。
川染が保育園のときに生まれて初めて作曲した歌を披露する。1小節歌ったところで保育園の先生に「よっちゃん、作曲しよるの?」と言われて作曲が中断。「自分はもっと展開するつもりでいたが、保育園の先生にそう言われて、そこで終わってしまった」
客に監督になってもらい野球をする、というコンポジション。監督の指示に合わせて川染が野球をプレイし、試合が展開していく。監督の指示に反抗してくる選手なども何人か現れる。「(外人選手と思われるカタコトの日本語で、監督の胸倉をつかみながら)ヘイ!オマエ!オレニサシズスルナヨ!オレハ四番ガヨカッタンダーヨ!ナンデオレガ五番ナンダ!オマエ、ドウシテオレヲ四番ニシナイ?オレヲ四番ニシロ、オマエノサシズハウケナイ!こんな場面に遭遇したら、監督はどうするよ?」
「モノマネタレントのコージー冨田は、コロッケのモノマネをしている。おれは、コージー冨田のことをモノマネ界のマルセル・デュシャンだと思っている。コロッケのモノマネ!俺はコロッケはあまり評価していない。なぜなら、あいつはBZの似てないモノマネをしたからだ。小馬鹿にしたような稲葉のモノマネをしながら、隣に松本の等身大のパネルを置いたりしてるからコロッケは信頼できない。コージー冨田リスペクト!あいつはモノマネ界のマルセル・デュシャンなんだ!」
「カレーにまろやかさを足すために卵を入れる。そう、それを俺たちはエッグカレーと呼ぶ…!」と、深刻な顔で何度も繰り返す。
「このイベントに集まってくれた皆様に、どうしても伝えなければいけない魂のプチ情報がある。鼻がつまっていると寝苦しいと思う。多くの人は口呼吸になって、喉を痛めていることかと思う。今日、俺が皆さんにお伝えしたい魂のプチ情報は、そう、鼻がつまった状態で寝るときの対処法だ。これは是非とも多くの人に聞いて帰ってほしい……鼻が詰まっているときは、マスクをして寝ろ…!おれはこの魂のプチ情報をお届けするために香川県からはるばる上京してきてこのライブをやらせていただいている。マスクをして寝ることによって、菌が入るのを防ぐことができて、喉を痛めずに住むんだ、ぜひ、このプチ情報を覚えて帰ってほしい!」
「と思うんですけど」というリリックが来るたびに「っておモンスーンカフェなんですけど」と言い換え、「って、おモンスーンカフェなんですけど、そう、バグダットカフェでカフェ・ラテ、カフェ・カプチーノ頼んで流し込むパリジャンたち」というリリックの反復へと繋げていく。
ライブ中に体力の限界が訪れ、危うく嘔吐しかける川染。「誰か、お水をいただけませんか」という懇願で、一人の客から水の差し入れがなされる。復活する川染喜弘。「このことは絶対に忘れないぜ!」「水が本当に嬉しかったので」といって、水を飲む音を、喉につけたコンタクトマイクで増幅するサウンドにも展開。
「ネス湖のネッシーも、屈斜路湖のクッシーも、アッシーも、ツチノコも、まだ俺たちの眼前にその姿を現してはいない!もしツチノコが俺の目の前に現れたなら、俺はこの手に持ったピコピコハンマーでもってツチノコを打ちのめしてみせるぜ!イエティも、まだ俺たちの眼前に姿を現したことはない。イエティを見てみたいとは思わないか?会場の雪男諸君!」
「メデューサの頭にウジャウジャいる蛇の一匹一匹と目を合わせて話してみたが、みんないい奴だった。本体のメデューサは怖いけれど、蛇は話ができるいい奴ばっかりだった。みんな口をそろえてネッシーもクッシーもイエティも見たことがない、と俺に伝えてきた。俺はテレポーター、瞬間移動のESPの持ち主だから、メデューサが目を覚ます直前に、まぶたが開かれる瞬間に、蛇との会話をやめてその場からテレポート!ESP、そう、俺はかつて、ESPの専門学校に入ってギターを学びたいと思っていた、ESPのいびつなギターのデザインは、まるで俺に早弾きしろと告げているようなデザインじゃないか?」
「母ちゃんに草冠つけて、苺ちゃんって呼んだことあるだろ?」
「パオーン!ヒヒーン!ウキー!メェ〜!ワオーン!ニャーッ!ガオーッ!今日のライブを祝福して、百獣たちもみんな集まってくれてます!パオーン!ヒヒーン!ウキー!メェ〜!ワオーン!ニャーッ!ガオーッ!」
イベントを企画した玉田伸太郎さんを背中に抱きつかせて、「ブーンブンブンブンブン!バルルルルル!ブンブンブンブン!」とけたたましいバイクの音をボイスパフォーマンスしながら会場内を走り回り、バイクの二人乗りを再現する。
玉田伸太郎さんのサウンドインスタレーションの音が流れるなか、玉田氏と川染が背中をあわせて腕を組み、グルグル回転しながら「ユートピアのお知らせ」「ステキなお部屋探し」というイベント名をそれぞれが発話するのを繰り返し、その二人の回転と発話が生み出すエネルギーが螺旋を描いて上昇していく、その「ポイント」を、高校生が忌み嫌う金属バット(ドラムスティック)で打ち抜いてライブ終了。

10月12日 高円寺円盤
サンプラーからのビートと、ラップが中心のライブ。(あまりにも高速&情報量多すぎのラップで記憶が完全にパンクしたので、ちょい薄めの、いつも以上に曖昧なレポです。申し訳ありません)
「俺は音楽の通信簿はいっつも3だったということ、そう、音楽の成績だけはいつも上だったということをお伝えしながら、黒板に書かれた座標、Xの中にすべてが吸い込まれていく、入り口は二つだ、黒板に白いチョークとピンク色のチョークで描かれた二つのX、そのもう一つのXもXの中に吸い込まれていく、リングモジュレーターのツマミをひねるようにして、扇風機のツマミを弱・中・強!とひねりあげていくことによって生じる風圧の変化、そのすべては座標Xの中に吸い込まれていく、カラコンを何枚も目の中に入れることで堆く盛り上げながら、扇風機のツマミを弱・中・強!吸い込まれていく座標、X!ネイルをしているギャルについて、一つだけわかっていることがある、そう、俺の推理によると、あいつらはギタリストではない、ネイルアートをしているギャルの爪では、ギターのコードを満足におさえることができないだろう、そう、あいつらはギタリストではない、メシャブのパイプを加えたワトソンが金魚の糞よろしくホームズについていく先も座標Xに吸い込まれていく」
「べらぼうめ、ばかやろめ、てやんでえ、こちとら仕事してんだ」というべらんめえ口調ラップを何度も繰り返す。
「五線譜から三線を抜き取って、それを、カナダの広大なトウモロコシ畑の横に建てられた、DIY精神真っ青の、そう、Do it yourself精神がはだしで逃げ出すような、小さな小さな小屋、、その小屋の木陰に植えることで、Do it yourself精神で、三線譜を広大な砂漠の中心に植えることで、やがて、その植えた三線が成長して植物として育ち、大木になり、大いなるリーフが芽吹き始める、、その大いなるリーフの上に小鳥がやってきて、その小鳥はさらに小鳥を生み、小鳥は歌い出し、原初的な音楽が発生する、そう、音楽は五線譜なしでも成立するぜ!そして、古代の、原住民たちはプライマルスクリームする!それをオマエは、タイムスリップしてその原住民のプライマルスクリームをRECしろ!そのRECしたサウンドを、現代に持ち帰り、MPCに打ち込んでクオンタイズ機能をかましてヤバいビートを作り出せ!」
「迫りくる魔の手の手相を読む、魔の手の手相、生命線と運命線を読み取って、運命線が途中で折れているのを見た瞬間、襲い掛かってきた魔の手にやさしく包み込まれるだろう」
「扇風機のツマミを、弱・中・強・激・極・セント・光・無・素粒子1・素粒子2・素粒子3・素粒子4・素粒子5・素粒子6・素粒子7・素粒子8・素粒子9・素粒子10・素粒子11・素粒子12・素粒子13とひねりながら、おまえたちのDo it yourself!精神とともに、メシャブをくわえたワトソンが従順な子犬のようにホームズについていくように、座標Xに吸い込まれていく、そう、インターネットで検索しても情報がヒットすることがない、仕事先の駐車場のBOXという小宇宙の中で生み出されたこのリリック、原住民たちのプライマルスクリーム、扇風機のツマミを、弱・中・強・激・極・セント・光・無!とひねりながら、黒板に描かれたXの中に吸い込まれていく、Do it yourself、二つの入り口、ぐりとぐら、その完璧なユニゾン!」

10月18日 高円寺無力無善寺
テープからビート。
「第七回、日本ロックフェスティバル、いくぞー!おおおおお!どうも、川染喜弘という者だけれども、日本ロックフェスティバル、いくぞー!おおお!おおおおおお!もはや、このイベントに対する思いはとても言葉にできない、だが、この俺の叫びの中に、言葉にならない部分に、俺の思いのすべてが集約されているといってもいいだろう!おおおおお!声が小さいぞー!おおおおお!今日は、もう、ある種、空っぽの状態でこの会場に来たわけだけれど、(主催者の狩生氏を指差しながら)お前に、このイベントに対するむき出しの気持ちを伝えよう!何というか、、いろいろと考えたのだけれど、もしかすると“次もこのイベントに呼んでほしいから”とか、そういう気持ちでこの日本ロックフェスティバルへの思いを伝えてるような部分が自分にもあるんじゃないか?、とか、そんなことを思ったりもしたけれど、どうだろう、、いま、改めて考えてみたけれど、、そういう要素、、自分の中にぜんぜんなかったわー!むしろ、来年呼ばれなくてもぜんぜん問題ないし、関係ない!そういう気持ちで、俺は、この日本ロックフェスティバルへの、むき出しの思いを伝えている!日本ロックフェスティバル!いくぞー!おおおおお!そう、このイベントの狩生とは、思い返してみれば、意外なことに、二人でそこまで深く話したことはないけれど、お互いのやっている音楽などを通じて、話をしたことがなくても、何か深い部分で、つながっているように思っている。この先、何があるかわかんないから、狩生も、ひょっとすると俺の葬式にくることになったりして、何か思うことが、あるかもしれない。。俺も音楽生活がついに14年目に突入して、相変わらずグダグダなままで、だけれども、こんなグダグダな自分にずっと関わってくれる皆さまが、この日本ロックフェスティバルには、集まっている、そして、こうしてたまに再会しては、くだらない話をする、一年前のこのイベントでも同じことを伝えたけれども、そんなくだらない話ができる時間が、自分にとっていかに大事か、大切か、わからない。先のことは何もわからないが、俺たちの命の光が続く限り、日本ロックフェスティバル、続けていこうぜー!おおおおおお!」
「狩生と借り物競争、狩生が取得した仮免で、カーリーヘアーの狩生と、内田るんのウチでるんるん気分でルンバを踊りながら、るんが爆音でルンバ流しながら、るん、、るん(客を睥睨して)…何か、“るん”で韻があるというかたは、どんどんリリックを放り込んでいただいて、、そう、俺たち狩生と借り物競争しながら、もんでんとモーフィング繰り広げてるんとルンバを踊って狩生の仮免とカーリーへアーと借り物競争の中、もん、でんと、おでん食べながらどんでん返し、るんとルンルン気分で爆音でルンバ」と、主催者の名前で韻を踏んでいくラップ。
「謝々」、「オブリガード」という感謝の言葉を読み上げるロボットボイスをサンプラーから反復で流し、川染も、その言葉で、日本ロックフェスティバルというイベントに対する「ありがとう」の気持ちを伝える。「Nice to meet you」という音を流す、各国の「ありがとう」を同時にサンプラーから(「くらいやがれ!」と言いながら)流して、多言語による感謝がループされる。
「日本ロック」コール、「無力無善寺」コールにてライブ終了。

10月27日 東京藝術大学上野キャンパス
高下駄を履いて、豪放な態度で歩き、会場のウッドデッキを激しく踏み抜く音を出しながら「ガハハハハー!酒じゃ酒じゃ!こんなに大きな魚がつれたぞー!今宵は宴じゃー!ガハハハ!大いなる宴じゃー!男たちよ、酒を星型にならべろー!酒を立方体に並べろー!」
椅子にコンタクトマイクを装着して、アンプリファイする演奏。
「飛んでいったファールボール」をめぐって、展開していくリリック。川染喜弘のラップによって、ファールボールは念力によって空中で軌道を変えたり、瞬間接着剤によって別のファールボールとくっついて空中で固定されたり、太陽(プロミネンス)に向かって上り続けたりする。リリックが盛り上がり、太陽に最も近づいたり、状況が頂点に近づく瞬間に、「から竹割りじゃー!」といってその場で飛び上がり、一刀両断するアクションをする。太陽の光を受けるニコニコ顔のヒマワリ、将棋、チェスなども登場し、太陽に近づいていき、その最も高まったポイントでから竹割りされる。
「1時間が60分というのは中途半端だ、100分とかそういうキリのいい数字にしてほしい。1ヶ月が30日というのも中途半端。1年が12ヶ月というのも中途半端。1日が24時間というのも中途半端。全部気持ちよくキリのいい数字にしようぜ!」
F1カーを、ミニ四駆の軽量化のように肉抜きしていく、という内容のリリックから、川染喜弘の言葉によって太陽を目指しながら空中を漂ったままでいるファールボールも肉抜きされていく。スポンジホイールの肉抜きというところから、「スポンジでできた肉襦袢も肉抜きしていく」というようなリリックにつながる。
エコーのかかったマイクを使って、楽譜に書かれた言葉を発話するパフォーマンス。「たてたて、よこよこ、丸書いてチョン」「にらめっこしましょあっぷっぷ」などのレクレーション名からはじまり、施設の名前、料理の名前などになり、最終的には野球用語、格言、常套句などが多めになる。ありふれた言葉が、川染の身体、マイクを通して、音響・具体詩になっていく。
「カテドラル教会のパイプオルガンが耳をつんざく、そのナチュラルリバーブを全身に感じながらカテドラル教会を登っていくと、その先に待ち受けていたのは、肉抜きされたファールボールを片手に持った犬!」



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