2/9 高円寺円盤
最初の40分は、電子音と身体による言葉を排した演奏。
「マスクをつけたままキシリトールガムを噛むと、マスクによって出口をふさがれ、上昇気流にのって、眼がシパシパする」といって「眼がシパシパ」「シパシパシパシパシパシパシパ!」と連呼しながら、フェーダーを激しく上下させるなどしてグリッジサウンドを奏でる。
両手を顔の前で振り、「もう、やめだやめだ!」といった瞬間に、サンプラーのループがちょうど止まる、という演奏を何度か繰り返す。
「フランジャーをかけてくれ」と要求するも、会場内のミキサーにフランジャーが入っていない。その後なんども「フランジャーくれー!」と絶叫したり、意味性の欠如した奇声をあげたりしながら激しいボイス、身体所作、電子音による演奏が展開される。
ジャンパーの上からTシャツをはおる。
この日は、ソロの演奏だけではなく、イベントの出演者、三富栄治氏とのセッションも20分間ほど行われる。三富氏のギターと川染喜弘の電子音、ラップ(「ミトミ」を基軸にしたライミング。ミトミは逆から読んでもミトミ、ミトミが水戸納豆を食べながら、三富のバットがボールの中心をミートしながら、三富栄治と板東英二が、など)、ちょっかい(三富氏が弾いているギターのアンプのミキシングを勝手に変える、シールドを自分自身のカオスパッドに差し替え、三富氏のギター演奏に合わせてカオスパッドをギターを弾くようにして操作し音にエフェクトをかける)などが絡み合う演奏。「八年前、俺と三富はこの円盤でセッションをした、そして八年後の今日、ここでこうやって、再会して、同じ場所で!またこうしてセッションをしているということに、運命的なものを感じないか?俺は感じるぜ!俺たちはそれぞれの場所で活動して、八年後に、ここで、こうやって再会したぜ!」

2/11 高円寺スタジオドム
ブラウン管に明滅する映像を流してフリッカーの効果を起こしながら、それを照明にして、およそ一時間の電子音演奏。

2月18日 桜台pool
川染喜弘の演奏と、Rad.commonsのリアルタイム批評によるセッション。「中ザワ、皆藤、新・方、法ーッ!!」という叫びからライブ開始。サンプラーやエフェクターなどを使った電子音即興。一音一音が、川染喜弘の個人がねじ込まれているような音(歌声)になっている。途中、何度も「やめじゃやめじゃ!」と叫びながら中断→再開の演奏が繰り返される。
Rad.commonsの批評が投影されたスクリーンを見て、その言葉を発話して音響化していく(言語を違う媒体で開放していく)演奏。Rad.commonsの言葉を、川染が勝手に翻訳していく。たとえば、「音と影に現れる概念を」→「サウンドとシャドウにパフォーマンスされるコンセプトを」と直訳したり、歌舞伎役者の形態模写をしながら朗読したり、理性的な文章の語尾に「〜だピョーン」という語尾をつけて、発話するときの動きなどで間抜けな身体性を付加したり。「お前の批評をプロセッシングしてやるわ!」といって、Rad.commonsのパソコンで川染喜弘がタイピングして、スクリーン上に投影される言葉が、川染喜弘の指先から出る表現に変化したりなども。そういったすべての行為に、やや遅れる形で、即座にRad.commonsが言葉で返していく。「☆」という文字を見た川染が、「ほし、そう、お前のスターダストレビューが」と発話したのを受けて、「星屑銀河批評」という言葉がスクリーンに飛び交う。
「近所の蕎麦屋で10回近く、蕎麦を持ち帰っているのだけれど、その蕎麦屋の店員に一度も『ありがとう』といわれたことがない。なんなんじゃ!こっちは、いつも無言で受け取ってるわけだが、お前の無言のパフォーマンスなんなんじゃ!」
「中ザワに送る心の絵文字を、お前のアスキーアートを投影しろや!」という川染の指示を受けて、Rad.commonsが顔文字を打ち込む。顔文字を打ち込むたびに「だめ?」「まだ?」というが、なかなか川染喜弘からの終わりの合図がない。
以前の「24時間ツイッターライブ」の際、中ザワ氏から「○○○○」という「文字による白玉だんご」の差し入れがあった、というところから、「あのときの白玉だんごをお返しをしたいから、中ザワに白玉だんごをやってくれ!」と川染。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
とスクリーン一面に白玉だんごが投影される。
「ネ申」という文字を打ち込んでもらい、スクリーン上方に配置する。「ネ申」という文字のしたで「中ザワ〜」と中ザワ氏の名前を呼び続ける川染。その「ネ神」に向けて手を伸ばしたり飛び跳ねたりするも、手が届かない川染。
「餌」という文字を打ち込んで左右に動かしてもらい、それを追いかける川染。「人参」という文字でも同様のことを行い、「ヒヒヒーン」と馬の形態模写をしながら「人参」を追いかける川染。

ナカザワ
ネ申
orz
皆藤

という文字の下で両手を広げて「ナカザワー!ナカザワー!」と連呼し、「中ザワさん、新方法おつかれさま!」といって、中ザワコールをしながら飛び跳ね、ライブ終了。



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