4月15日 西日暮里HIGUREギャラリー
前半、半分は、サンプラーを操作した音のみの演奏。一曲目は、ミニマルなビートに少しずつ、身長に、展開を加えて音を重ねていく、というもの。二曲目は、パーカーのフードをかぶるファッションによって存在の印象をかえ、そのファッションにあわせた(いかにも、そういうファッションの人間が出しそうな音、を出しているように聴こえた)ビートを、寡黙に演奏する。
ペットボトルの水を飲む動きを大きく見せて、飲み込むときに、手でペットボトルを握りつぶし、その音色を響かせながら飲み干す。
第二部、といって、ラップを加えた演奏を展開。真に硬質なミニマリズムについて、ラップする。反復するビートにわかりやすい展開、飽きさせないような音を追加することは軟弱なミニマリズムであるといわざるをえない、といって、サンプラーから実にシンプルで展開のないビートをながして「これに何も手を加えないのがミニマリズム」と主張しながら、その、主張の合間合間で、言葉尻をすばやく捉えてフリースタイルラップに戻り、再び説明に戻る、、というような演奏が繰り返される。「マルエツの醤油を一気飲みして体内の塩分濃度を一気に40パーセントまで高めようぜ!」「ポスト・ミニマリズムとセリエリズム」「奈良の大仏の花の穴の中に吸い込まれてどんどんミニマムになっていく身体」といったリリックが高速でつむがれては説明に戻っていく。「文化・バンタン・セツモードセミナー」を連呼するミニマルボイスパフォーマンスもはさまれる。
何も手を加えずにシーケンスが流しっぱなしになっている硬質なミニマルミュージックにあわせて、客にクラップを担当してもらい、長時間手を叩き続けることで、疲労や手の痛み、個々人のリズムの取り方の違いなどから、少しずつ、ビートにあわせて打つ手のリズムがズレていく、という演奏。「この硬質なビートに、みなさまのオーガニックで有機的なハンドクラップを挿入してくれ!」といって、客のクラップとシーケンスの組み合わさったビートにのって、フリースタイルラップを展開してライブ終了。

4月30日 高円寺AMPcafe
前半は、三台のサンプラーと、カオスパッド、CDJなどを使用した音のみによる演奏。シーケンスから流れるビートに、CDJのスクラッチで音と演奏する身体性を付加していく。
20分ほど、音のみの演奏を展開したあと、マイクをつかみ、エコーマイクを併用しながら、奇声を発し続けるボイスパフォーマンス。からの、ラップ。「生卵を車のボンネットの上に落としたらミディアムレアの目玉焼きが完成するだろう」「バックベアードの巨大な瞳がこっちを見ている。バックベアードの巨大な瞳が瞬きするたびに、その風圧に吹き飛ばされるだろう」「真紅の優勝旗に包まれながら」「東京ドームとグーグードールズが」「名門多古西応援団」「切り裂きジャックに服を切り刻まれながら」というようなワードを中心にして、それらを自由自在にカットアップ、接着させていく高速フリースタイルを展開。途中で、サンプラーのシールド、電源を抜き、一度しまったあと、電源だけ指しなおし、シールドはささずに、地面に安置。シーケンスにあわせて光り続けるオブジェとして川染の足元に置かれるサンプラー。
「なけなしのお金でこの機材を購入した、という過程だけでもう評価して欲しい」という流れから、書き下ろした新曲を演奏。カオスパッドの説明書どおりにカオスパッドを操作する、「Korgの社員の指示に忠実に従った演奏」。「43番、ランダムにタップする」「3番、はやくこする」の二曲が演奏される。機材がおかれている長机の上に乗っかって、オモチャで遊ぶ不機嫌な子供のような表情でカオスパッドを演奏する川染。社員の指示に極端に従うことによって、激しいノイズ音がかき鳴らされる。その流れの中で、ライブ終了。



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